先日、中国の大手エンタメ企業「テンセント」が2021年の第4四半期決算及び通期決算を発表した。それによると、付加価値サービス事業では、当四半期の売上高は前年同期比7%増の719億元となっている。そして『王者栄耀』、『金鏟鏟之戦』及び『リーグオブレジェンド:ワイルドリフト』等の影響により、中国国内でのゲーム事業の売上高は1%増の296億元となったが、『天涯明月刀』及び『Game for Peace』の売上減少により一部相殺された。
2021年通期では、同社の付加価値サービス事業の売上高は前年同期比10%増の2916億元となった。『王者栄耀』、『コール オブ デューティ モバイル』等のゲームが好調さを見せるおかげで、中国国内でのゲーム事業の売上高は6%増の1288億元となったが、『アラド戦記モバイル』及び『Game for Peace』の売上減少により一部相殺された。
海外市場におけるゲーム事業の売上高は34%増の132億元となった。これは主に『VALORANT』、『クラッシュ・ロワイヤル』等が新しいコンテンツを追加し、及び「Digital Extremes」の買収がもたらした影響によるもの。その他にも、『PUBG Mobile』、『VALORANT』、『ブロスタ』、『クラッシュ・オブ・クラン』等のゲームは好調がずっと続いているとの事。
2021年第4四半期のインターネット広告事業の売上は、前年同期比13%減の215億元となった。インターネット広告事業の売上の減少は、教育、ゲーム、インターネットサービス等の分野における広告需要の減少によるものという。
そして、「テンセント」が開発した中国最大級のコミュニケーションツール「QQ」の新しいバージョンはリアルタイムのレンダリングと物理シミュレーションを実現するために「Unreal Engine」を採用し、ユーザーにより魅力的なビジュアルエフェクトとリアルなインタラクティブ体験を提供する事を目的としている。ユーザーは自分だけの3Dバーチャルキャラクターを作り、様々なソーシャルイベントを参加する事できる。
中国国内のゲーム市場においては、「テンセント」は自社IPの育成により一層力を入れて取り込んでいる。例えば、『王者栄耀』のキャラクターで新しいゲーム、アニメと映画を制作し、『Game for Peace』、『QQ飛車』モバイル版で冬季オリンピックとコラボしたイベントを開催する等。
未成年者に対する規制に関しては、2021年第4四半期の未成年者の総プレイ時間は前年同期に比べて88%減少し、同社の中国ゲーム市場におけるゲーム時間全体の0.9%を占めた。未成年者による売上は前年同期比73%減少し、同社の中国ゲーム市場における売上高全体の1.5%を占めた。
「テンセント」の予測によると、未成年者に対する規制がもたらした影響は2022年後半で完全に消えるとの事。新しい版号が発行された後に、自社のゲーム事業は更なる発展を遂げるという。
海外におけるゲーム事業の展開については、「テンセント」の作品は引き続き好調さを見せている。『リーグ・オブ・レジェンド』のアニメ化作品「Arcane」は上映後の1週間で「netflix」の英語テレビ番組の視聴時間ランキングでトップとなった。『リーグ・オブ・レジェンド』の世界大会の決戦では同時オンライン視聴者すは過去最高の約7400万人を記録し、世界で最も人気のあるeスポーツゲームとしての地位を固めた。
『クラッシュ・ロワイヤル』はリリース後の最大級のアップデートを発表した後、1日のアクティブユーザー数と売上高が大幅に増加した。そして「テンセント」は高品質なゲームを世界のユーザーに届けることを目的とした新しいブランド「Level Infinite」を発表し、傘下のスタジオ及びパートナーが海外のプレイヤーにゲームを提供することをより一層支援する意向を示した。