先日、中国のデータ調査会社「Gamma Data」が『2022年1~3月の中国ゲーム産業に関するレポート』を発表した。データによると、2022年1~3月の中国ゲーム市場の実質売上高は794億7400万元で、前期比10.08%増、前年同期比3.17%増となり、2021年同期の成長率を下回ったとの事。
- 2022の1~3月、中国モバイルゲームの実質売上高は604億3200万元で、前期比9.28%増、前年同期比2.72%増となり、2021年同期の成長率を下回っていた。
- 中国の自社開発ゲームの海外市場における実質売上高は45億5400万ドルで、前期比0.54%減となった。
- 売上ランキングTOP50のゲームのうち、魚を捕まえるゲーム『捕魚大作戦』の売上が大きく伸びた。
- サービス終了となったゲームの数は前期に比べて減少となり、そのうちの半数くらいが5年以上運営したゲームである。
- 超カジュアルゲームは4本が売上ランキングにランクインした。
2022年1 ~3月の中国PCゲームの実質売上高は154億9300万元に達し、前期比、前年同期比ともに増加した。このうち、前期比の成長は主に春節イベントの開催の影響で、前年同期比の成長は『夢幻西遊』、『クロスファイア』等の人気ゲームが好調さを見せているおかげとの事。
2022年の1 ~3月、中国のブラウザゲームの実質売上高は13億6100万元、前期比2.63%減となった。今期でリリースされたブラウザゲームの数は前期に比べて減少となったが、市場全体は徐々に安定化している。
2022の1~3月、中国モバイルゲームの実質売上高は604億3200万元で、前期比9.28%増、前年同期比2.72%増となり、2021年同期の成長率を下回った。成長の主な原因の1つ目は、『原神』、『夢幻西遊』等の人気ゲームが長期的に売上に貢献している。2つ目は、『文明と征服』等の新規タイトルが新しい売上を獲得している。だが新規タイトルの数は昨年同期を下回り、成長率も昨年同期に比べて減少している。
2022の1~3月、中国の自社開発ゲームの海外市場における実質売上高は45億5400万ドルで、前期比0.54%減となり、ほぼ前期と同じ水準になった。主な理由は、新規タイトルがそれほど多くの売上をもたらしていないから。
中国ゲームの海外市場における売上を伸ばす主な要因は、新バージョンのリリース、新イベントの開催、インフルエンサーによる宣伝等がある。
ゲームの面では、『原神』は1月から3月にかけて毎月で新しいバージョンとイベントをリリースし、売上を伸ばした。そのうち、バージョン2.4の更新に伴い登場した新規キャラ「雲菫」のキャラストーリーPV「神女劈観」は、YouTubeで500万回以上に再生され、中国の伝統的な文化を海外に向けて宣伝した。
『永夜星神』は同様に1月~3月で毎月新しいバージョンを更新し、海外の一部の地域で大きな注目を集めた。
『King's Choice』は1月~3月で、米国のiOSベストセラーランキングで大きく順位を上げている。
『道士出観』は1月末に春節イベントを開催し、春節限定のスキンセット及び課金ボーナスが売上を伸ばした要因となった。
2022年の1月~3月で、「Gamma Data」より発表されたモバイルゲームの売上測算ランキングのTOP10にランクインしたゲームのうちに、7つのジャンルが含まれ、テンセントのゲームが50%を占めた。TOP10にランクインした新規タイトルは、『文明と征服』の1本のみ。
2022の1~3月のiOSダウンロード数測算ランキングのTOP10のうち、『王者栄耀』は引き続きトップに君臨し、MOBAとボードゲームの両方共に2本の新作がランクインした。そしてサンドボックスゲーム『Minecraft』は2022年1月21日の新バージョン更新以降、基本的にiOS無料ランキングのTOP25以内にランクインしている。
2022の1~3月、新規タイトルの初月売上測算ランキングのTOP5にランクインしているゲームのうち、シミュレーションゲームが第1と第2位を占めている。この2本のゲームは、いずれも帝国文明を題材にしている。第3位から第5位はMMORPGで、3本とも原作に基づいてゲーム化された作品である。
『王者栄耀』と『Game for Peace』等の人気シューティングゲームの影響で、2022の1~3月にiOSダウンロード数ランキングのTOP20にランクインした超カジュアルゲームのダウンロード数の占める割合が相対的に減少したが、超カジュアルゲームのダウンロード数及び合計ダウンロード数が前年同期に比べて増加しており、超カジュアルゲームは引き続き好調を維持している。
運営能力の長期的な強化は、今期でランキングの上位にランクインした超カジュアルゲームの重点的な目標となっている。これらのゲームはログインボーナス、育成等の要素を採用し、そして原作IPの知名度を利用して注目を集めている。上記の要因により、今期のランキング上位の超カジュアルゲームは、ユーザーのゲーム内での平均プレイ時間は半年前より8日増加した。
『石油』、『物件賃貸』等の若い人が関心を寄せている題材を採用する事も、超カジュアルゲームの人気を集める方法の1つとなっている。今期のランキング上位にランクインしている超カジュアルゲームは、こういった中国のユーザーが関心を持っている事に合わせて、題材を採用する傾向がある。