先日、「Gamma data」は「2021中国ゲームイノベーション発展報告---クロスプラットフォーム編」を発表した。データによると、2021年に中国におけるクロスプラットフォームゲームの市場規模は、700億元を超えると予想されている。
クロスプラットフォームゲームとは、異なるプラットフォームで遊べる同一のゲームの事。クロスプラットフォームゲームの展開するプラットフォームは、基本的にはモバイル端、PC、コンシューマー等の端末を含んでいる。プラットフォームによって、ゲームの内容はごく一部異なる可能性があるが、基本的に世界観や遊び方は同じものである。
市場構成の観点から見ると、現段階ではPCとモバイル端末はクロスプラットフォームゲーム市場の主な貢献端末であり、市場規模の成長を促進している。開発エンジン、5G等の技術の進歩と革新により、クラウドゲームが今後の発展トレンドとなっており、クロスプラットフォームゲーム市場の新たな成長の支えとなることが期待されている。
クロスプラットフォームゲーム市場への貢献度が最も大きいモバイル端末で展開しているゲームを例に取ると、現在はシューティングゲーム、RPG、MMORPG/ARPGを中心としたゲームジャンルが大半を占めているが、ユーザーはMOBAやACTなどのゲームジャンルも好んでおり、クロスプラットフォームゲームには依然として探索や開拓の余地があると考えられる。
製品面からみると、クロスプラットフォームゲームは基本的にあらゆるジャンルで好成績を収めた。これは主に、高いクオリティーと優れた技術面のサポート等によるもの。
「Gamma data」の調査によると、50%以上のユーザーのクロスプラットフォームゲームに対するニーズが満たされていないとの事。中国のゲームユーザーは現在、主にモバイル端末を利用しており、殆どのメーカーは特定のプラットフォーム向けにしかゲームを開発しない。しかし、ユーザーはゲーム実況、プロモーションビデオ等の宣伝方法を通じて、他のハイクオリティのゲームを知り始めており、異なるプラットフォームのゲームに高い関心を示してることから、クロスプラットフォームゲームは比較的に高い発展ポテンシャルを秘めていると考えられる。
調査結果によると、6割以上のユーザーはクロスプラットフォームゲームにおけるプレイデータの引継ぎ機能に対するニーズが比較的に高いという事が分かった。そして、クロスプラットフォームゲームのコンテンツの増加・削除の面では、8割以上のユーザーは違うクロスプラットフォームで展開する同一ゲームのコンテンツの同一性を重視している。その中で、58.2%のユーザーはコンテンツの多少の違いを許容する事ができ、25.3%のユーザーはコンテンツの完全な一致を望んでいる。これによると、クロスプラットフォームのゲームは、より多くのユーザーのニーズを応えるためには、コンテンツの同一性を高い水準で維持する必要があることが分かった。
現段階では、クロスプラットフォームゲームの市場は、すでに多くのユーザーを抱えている。「Gamma data」の調査によると、約57.1%のユーザーは既に違うプラットフォームで同じゲームをプレイした。20%のユーザーは違うプラットフォームで同じゲームをプレイした事はないが、これらのゲームには高い興味を持っている。クロスプラットフォームゲームのクオリティーの進化、ユーザーの移行に関するノウハウの蓄積に伴い、今後、より多くの潜在的なユーザーが違うプラットフォームに移行する事が期待されている。
ユーザーが違うプラットフォームで展開するゲームを、複数のプラットフォームでプレイする要因のうち、5割近くのユーザーが「友達と遊びたい」を選択しており、ソーシャル性がユーザーにとってクロスプラットフォームゲームを選択する重要な動機となっている。端末やシステム等の制限により、ユーザーは友達と一緒に遊ぶことがなかなか難しくて、だから一緒に遊ぶために違うプラットフォームへ移行するユーザーの数は少なくないという事。今後はクロスプラットフォームゲームの発展に伴い、ゲームユーザーのソーシャルに関する壁を徹底的に取り除かれることも期待されている。
ゲームのクオリティーに関しては、調査に参加した大半のユーザーがクオリティーを重視しているとの事。中でもゲーム体験と全体的な品質が最も重視されている点となっている。一部のモバイルゲームユーザーも、ゲームのグラフィックや操作性等に対して高い要求を持っており、これらのユーザーのニーズに応えるためにも、違うプラットフォームでの展開が期待されている。
クラウドゲームの登場により、端末のスペック不足がある程度解消されると予想されている。「Gamma data」の調査によると、現在一部のユーザーはクラウドゲームを利用して、クロスプラットフォームのゲームを体験している。例えば、モバイル端末のゲームユーザーは端末の制限を超えたクラウドを通じて、コンシューマーやPCで展開する同一のゲームを体験する等。クラウドの発展により、クロスプラットフォームゲームの更なる発展を促進する事が期待されている。