3月11日に、中国の有名なゲーム企業「Archosaur Games(アーキサウルゲームス)」は、自社の2021年度の業績予想を下方修正する事を発表した。同社の2021年通期の純損失は2.2~2.4億元となる見込みで、利益は2020年に比べると大幅に減少したとの事。
発表によると、今回の下方修正の主な要因は3つある。まず一つ目は、新規タイトル(主に『鴻圖之下』)の開発費用とマーケティング費用の増加。二つ目は、『諾亜之心』と『コード:Sigmar』の2タイトルのリリースが延期された。三つ目は、2021年にリリースされた新規作品『夢想新大陸』の売上高は予想を下回っている。
「Archosaur Games」は3月11日の別の発表で、2022-2024年の間でリリースを予定している11タイトルのスマホゲームについて言及した。11タイトルのうち、4タイトルは2022年に正式にリリースされる予定となっているとの事。
4つのタイトルはそれぞれ『諾亜之心』、『AVATAR: Reckoning』、『以閃亮之名』、『コード:Sigmar』で、そのうち『諾亜之心』は既に版号を取得しており、中国国内では「テンセント」が代理運営を行って、海外では自社でパブリッシングを行う予定となっていて、ユーザーから期待される作品となっている。
MMORPG+シューティングゲームの『AVATAR: Reckoning』は、1月に初公開され、カナダでαテストを行った後でユーザーから沢山の好評を得た。同ゲームはまず海外でのリリースを目指して、その後で中国国内でリリースされる予定となり、海外でのパブリッシングは「テンセント」が代わりに行う予定となっている。『AVATAR: Reckoning』は、2022年の「Archosaur Games」の重点的に注力するゲームとして展開する予定である。
女性向けゲーム『以閃亮之名』は2021年8月に初公開された後、注目を集めた。同ゲームは衣装に対して自由に改造できるという斬新なシステムを採用しており、同ジャンルの中ではなかなか珍しい遊び方となっている。同ゲームは現在海外でαテストを行っており、まずは海外でのリリースを目指しており、その後で中国国内でリリースする予定となっている。3月の上旬までに、中国のゲーム配信アプリ「TapTap」で同ゲームの予約数は127万件を突破しているとの事。
SLGゲーム『コード:Sigmar』は既に中国国内で2回テストを行っており、ユーザーの注目を集めている。このタイトルも、まず海外でのリリースを予定しており、その後で中国国内でリリースする予定となっている。
「Archosaur Games」は現在『夢幻誅仙』や『六龍争覇』などの多数の人気IPを保有しており、同社は特にMMORPGゲームの開発を得意としている。2020年に同社よりリリースされ、「テンセント」が代理運営を行うSLGゲーム『鴻圖之下』は現在、ゲームランキングの上位にランクインしている。2023年~2024年までの間に、同社は4つの新規タイトルのリリースを予定している。
今回の発表が行われた後、中国の証券研究企業「中泰国際」は、「Archosaur Games」に対してリスク警告を発した。その内容は、主に以下の3つとなる:一つ目は、現在中国のゲーム業界には規制されるリスクがあり、版号の発行停止により「Archosaur Games」の新規タイトルは中国国内でリリース出来なくなっている。二つ目は、「Archosaur Games」からリリースされた『夢想新大陸』等の新規タイトルの売上高は、予想を下回っている。三つ目は、海外でのゲーム事業はまだ期待通りに展開出来ていない。
今後、「Archosaur Games」はどのように中国国内と海外で事業を展開していくかを、引き続き注目していきたい。